10月13日(月祝)の「第3回 鳥取バロックアンサンブル with 赤津眞言」演奏会へ向けて赤津さんからの寄稿連載。第1回です。

300年。何と長い年月だろう。
今年は、ヴィヴァルディの『四季(La quattro stagioni − Il cimento dell’armonia e dell’inventione)』がAmsterdam: Michel-Charles Le Cèneの手によって1725年に出版されてからちょうど300年を迎える。
この曲集は出版されるや瞬く間に全ヨーロッパに運ばれ多くの人の手に渡り、最初の4曲(特に春)が大ヒットとなった。また様々な楽器編成による編曲版が作られ、人々はヴィヴァルディの音楽に魅了された。
それから3世紀。
1741年に彼が没して後、作曲家ヴィヴァルディは完全に忘れ去られていたが、あるイタリアのグループが彼の『四季』をレコードにし大ヒット、そのレコードは今日までに300万枚も(『四季』全体では2500万枚)売り上げ、ヴィヴァルディは再び広く認知されるに至った。
勿論、ヴィヴァルディの作品はこの『四季』だけではない。大半がヴァイオリンを中心とした作品だが、他にも様々な楽器を組み合わせた多岐に渡る曲が多数残されており、その正確な数(800程)は未だに判然としてはいない。
それでもやはり、『四季』の一曲目『春(La primavera)』は最も人々に親しまれ、誰もが聞き知る作品となった。
次回第2回では、赤津さんと鳥バロの出会いについて触れられています。お楽しみに!
Share this content: