10月13日(月祝)の「第3回 鳥取バロックアンサンブル with 赤津眞言」演奏会へ向けて赤津さんからの寄稿連載第4回。
第3回は、イ・ムジチのレコードで「四季」に出会われたお話でした。今回は、赤津さんと『四季』後編、その後の古楽奏法との出会いについてです。
それから暫くしてバロック・ヴァイオリンやチェンバロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ等の古楽器と古楽奏法と出会うに至って、それまでモダン演奏を通じて感じていた疑問、音の出し方(均等であるのか否か)、ビブラートは常に掛け続けるのか、作曲家によって表現法が違うのではないか等への答えが見つかったかのような気がして、迷うことなく飛び込んだ。
音符には良い音、悪い音の区別(表と裏とも言える)がある事や、音に均等は無い(イネガリテ)、和音による音色の違い(特に不協和音の表現)、音楽表現における句読点(アーティキュレーション)の付け方、楽譜の読み方(自筆譜等の)、その他、それまで知らなかったことばかりだった。
並行していたモダン・ヴァイオリンによる奏法と差別化することの難しさに悲鳴を上げたりして、全く稚拙なバロック語法を理解しながらついて行くだけで必死だった。当然バロック・ヴァイオリンで『四季』を試奏したりもしていたけれど、全く歯が立たずにお茶を濁していた。
その後オランダに留学し、ヨーロッパ各地の仲間との交流で多くのことを学ぶ機会に恵まれ、自身の関係していた室内楽グループ(リコーダーやフルート等と)、弦楽アンサンブル(オーケストラ・ファン・ヴァセナール)の活動、更にはコンセルヴァトワールでの指導経験から、今の演奏活動や公開レッスン、ワークショップで物が言えるまでの知識を得られたし、少しはバロック音楽の演奏法、解釈、表現法が身に付けられたのではないかと思う。

! 次回第5回は、いよいよ連載最終回。今回の演奏にかける思いが語られます。どうぞお楽しみに
「第3回 鳥取バロックアンサンブル with 赤津眞言」の情報はこちらからご覧ください
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